愛犬の死

愛犬、と言っても実家の犬なんだけどね。

実家は無類の犬好きで、子供のころから、犬がいない生活はしたことがなかったんだよね。いわゆる座敷犬ではなくて、チビとか、ポチって感じの雑種で、お外で飼うタイプの犬たち。

今飼っていた犬は、ビーグルが混じった雑種で、とても人懐っこくて、泥棒にもしっぽを振りそうな可愛い奴だったんだよね。中学3年の息子と同い年だから、老衰ってことなんだろうけど、いつもお尻ごとしっぽを振って出迎えてくれたから、これからさみしくなります。特に中3の息子は、実家に行くたびにたっぷり散歩に連れ出していたから、息子が行くと甘え鳴きとでもいうのか、ふみ姉だけで行くより熱烈に歓迎していたから、息子もさみしいだろうな。

今、犬は家族の一員ってことで、人間と同様にいろんなサービスとかあるみたいだけど、ふみ姉の実家はかなり田舎だから、お葬式したり、遺影を飾ったりそういうのはナシです。裏山に穴を掘って埋め、せいぜい花を飾るくらいだろうな。

親も、もう犬は飼わないって言ってます。 もうじき80歳だしね。今は元気だけど、最後まで面倒みられないかもしれないからって。 そうか、あいつが実家で会う、最後の犬になったんだな。ずっと犬を飼っていたから、犬にまつわる思い出はすごくたくさんあるんだよね。それはオヤジも同じことだよね。もう増えないんだね。

死んでしまう2日前までは散歩にも行ったんだって。前日には、犬小屋から出てすぐの階段が登れず、散歩を断念。 で、死んじゃった日は、あまり元気がなかったから、これじゃ暑くてしんどいだろうとペット用の冷感マットを買いに行って、帰ってきたら死んでいたって。

出かけないで、ついていてやればよかったなあって珍しくしんみりした声出すから、何だかとっても悲しくなりましたよ。ふみ姉が子供の頃は、死んだか、ほいほい、って感じで、裏山に穴を掘って埋めていた印象があったから、このオヤジ、本当に犬が好きなのか?ちょっと冷酷なんじゃない?って、思ったんだけど、年を取ると気が弱くなるのかな。それとも、昔は平気なふりが上手だっただけなのか? もう犬は飼わないと言われて、親の年を改めて実感したのも何だか悲しかったし。

最近では、耳が遠くなったのか、鼻が効かなくなっていたのか、犬小屋をのぞき込むまで気づかなかったようだし、ピンピンころりってことで、良しとしないとだよね。その前に飼っていた犬なんて、スズメバチに刺されて死んじゃったんだし。山に連れて行って行方不明になったヤツもいたし。

ふみ姉も、犬は大好きなんだよね。でも嫁に来たら、こちらのじいじとばあば、二人とも動物が大嫌いと来た。商店街通りに家があるから、外にも犬を飼うスペースはないし。 ず~っと犬飼いたいよ~~~って思っていたんだけど、こういうことがあると、飼っていなくてよかったと思ってしまう。 実家の犬でも結構悲しいのに、自分で飼ったらかなりつらいよね。

でも、息子たちが一人立ちしたら、絶対飼うんだろうな。

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