胆石の痛みと胆のう摘出顛末記②

さて、胆石の激痛が出てから既に4か月あまり。なんとぐずぐずと先延ばしにしたことか。
ようやく手術台に向かいます。

いざ、手術台へ
さて、ようやく術前検査も終わると、消化器外科の先生に手術の説明を受けます。
聞いてはいたけど、手術の手順やリスクのコトを丁寧に説明してくれます。聞くほどに怖くなります。手術に使う道具なんて、見せないで欲しい!
ただ、数ある手術の中で、胆のう摘出術はかなり簡単な手術で、事故や重篤な後遺症も少ないということも聞きました。

そうなの?と驚いたのが、人工呼吸器のことです。全身麻酔で低呼吸になる間は、酸素マスクで酸素を送ると思ったら、喉の奥まで管を突っ込んで直接肺を動かす感じの説明でした。
で、アレルギーがあって、ぜんそく傾向のある私は念入りに検査され、ぜんそく発作が出ないようコントロールする吸入薬を毎日使って手術に臨みました。ぜんそく傾向があると、喉の奥が刺激されることでこれまで大きな発作を起こしたことがなくても誘発される危険があるのだそうです。

私が行った病院ではお腹に4か所の穴をあけましたから、最近の胆のうの手術では穴の数が多い方かもしれません。穴の数が少ないほど回復も早いし、見た目もいいそうですが、20代の花盛りでもないし、安全と思うならいくつでも開けて下さいって気持ちでしたが。

そうそう、➀この手術の説明の時と、②入院する日、③手術日、➃退院日は家族同伴でなければいけないとのことでした。

私が一番怖かったのは、実は手術そのものより、全身麻酔でした。
仮死状態に限りなく近い状態にされるわけだから、戻ってこられなくなったら・・・という不安がどうしても消えなかったんです。
ずいぶん軽快してはいますが、15年ほど前、突如「パニック障害」になり、以降、不安発作をおこしそうな事態の時は、前もって頓服薬を飲むことで発作を起こさないようコントロールしています。過呼吸の発作もよく似た症状のようですが、あれも結構つらいんですよ。最近は全然発作も出ていなかったのですが、今回ばかりは・・・
で、頓服の力を借りないと敵前逃亡の恐れがあることを担当医に伝えて、手術の1時間くらい前にごく少量の水で飲みました。
おかげさまで看護師さんに連れられ、てくてく歩いて手術室へ向かい、ホイホイと言われるままに手術台に上り、誠に扱いやすい患者だったのではないかなと思います。

同じ頃同じ手術をした方が同室にいました。以前全身麻酔での手術を経験していたそうですが、どういうわけか今回は怖くて怖くて手術台に上がれず、涙は止まらないし血圧は上がるし、だいぶ周りに迷惑をかけたと反省していましたが、怖いに決まっていますよね??すごいストレスですよね。

怖かったら、無理せずに精神安定剤のようなものをお願いしてみてもいいのではないかな?と思います。簡単にくれるかどうかは知りませんが、正直な気持ちを担当医に伝えるのは大事なことだと思います。

手術はどうだったか?
当然ですが、あっという間に眠らされるので全く覚えていません。でも、ありがたいことに寝入る時も目覚める時も不快感はありませんでした。

術後の回復
手術時間そのものはそんなに長くないようですが、おしっこの管や人工呼吸器やもろもろの準備、事後処理を眠っている間にするそうで、4時間ぐらいで病室に戻ったのかな。
病室に戻ってからは自分の感覚だと時々うたたねをしていた印象でしたが、実際には時々目を覚ましたくらい寝てばかりいたようです。夜も爆睡でした。
そして、翌朝からは朝の回診で異常がなければ起こされます。もうリハビリです。シャワーもOK。

当たり前ですが、まだ結構痛いんですよ。
なぜかすごく痛かったのが肩!
良く分からないが手術時の体制痛ではないか、と言われシップをもらいました。時々そういう人がいる、とのこと。そういう痛みとは違うんだけどなあ、とは思ったのですが、まあ、超レアな症状でもなさそうなので、ありがたくシップを貼っておきました。

もうひとつが、寝返りを打つだけで、内臓がどぅるんって感じで動くのが痛くて気持ちが悪かったですね。
これは手術の時、他の臓器を傷つけないように肉と内臓の間にガスを入れてスペースを作るためで、ガスが抜けきっていないので、お腹の中に隙間がいっぱいあって内臓が泳ぐ感じがするのだそうです。

術後3日しかいませんが、日に日に良くなる感じが嬉しかったですね。
とはいえ、3日でいいかげん回復するから退院するんだと思っていたら大間違いで、まともにシャキッと歩けないうちに退院するのが実際のところでした。
帰ってからもろくに家事もできません。でも、家に帰ればなんだかんだ、動き回りますよね。
衝撃だったのは、毎朝、起きると筋肉痛になってるんです。
え、買い物に行っただけで?洗濯もの畳んだだけで?って感じです。だから早く退院させるんですね。
痛みが治まるまで病院にいたら、筋肉が萎え切って回復が大変になるんでしょう。
傷口が痛いのは当たり前なんで特筆しませんが、とにかく、笑うだけでも痛い。

あと、濡れた洗濯ものが入ったかご程度でも、重い物を持つ=腹圧がかかるので、術後1ヶ月までは腹筋を使う作業はあまりするなと言われました。
術後3日で退院なら、事務仕事だけならもう4日目からできそうだけど、まあ、術後1週間ぐらいは休みをもらっておこう、なんて甘い考えでした。
1週間たっても、食事の支度で30分も立っていると下腹部が出産間近の時みたいにコチコチになって痛みます。(この症状はあまり聞かない、と言われましたが)
融通してもらえる職場なら、事務職でも術後2週間くらいは仕事はお休みした方がいいような気がします。 それでも術後の経過はいたって順調で、心配していたぜんそく発作も出ず、術後検診に1度行っただけで病院とはおさらば出来ました。

胆汁不足で、油ものが食べられないんじゃないか、という心配も、とんかつ1枚食べたら少しお腹が緩くなる、程度でした。で、術後2ヶ月の今、以前通りの食事で何ともありません。
ただ、これは個人差が大きいようですので、参考までに。
私の場合、もともと脂っこい物が大好物ってわけでもありませんでしたから、本当に何も困ることはありません。

あれほどピロリのせいにしていた胃痛もけろりと治り、体重も戻りつつあります。
胃と背中の痛みも胆石ではよくある症状のようですが、萎縮性胃炎も持っていたので混乱してしまったんですね。
・・・ということで、胆石をお持ちの方、症状が出なければ年に一度エコーでチェックするだけでいいと思います。でも、痛みが出てきている方は、早めにかかりつけ医に相談した方がいいですよ。
案ずるより産むがやすし、です!

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