最近、職場のパートさんがしばらく仕事を休んでました。
65歳くらいの女性なんだけど、血圧が急に上がり、めまいがしたり起きられなかったりと、ちょっと心配な状態だったんですね。
かかりつけの内科に行くと、ストレスなどの心因的な要因だろう、心配する必要はないと言われたそうです。それでも、薬はくれたらしく、しばらく飲んだけど治らない。実はふみ姉もこの内科、かかりつけなんです。ここの先生、見立てや技術は優秀なようなんですが、口が重たくて、こちらからぐいぐい突っ込まないと、詳しい説明とかしないんですよ。
何の検査もしなかったようだし、とても不安そうでしたが、このパートさんが賢かったのは、職場に来てこの話をしたことなんですよ。病院帰りに、しばらく休ませてほしいと言いに、わざわざ会社に寄ってくれました。すると他の職員が、「○○医院も内科だけど、先生の専門は循環器だから、そっちに行ってみたら?」と言ってくれたんです。社長も「医者は七たび替われって言うぞ」と背中を押します。
田舎の人間は、これ言われるとすごく迷うんですよ。かかりつけの先生を裏切るようで。地域の中でのお付き合いもあったりしますからね。他の医者に行ったのがばれたらどうしよう、とか思うんです。でも、さすがに調子が悪く、不調が改善しないので迷った末、行ったそうです。
そこでも、多分心因的な要因だとは思うと言われたそうです。でも、年齢的にも一度きちんと調べるのは悪くないから、心配ならちゃんと検査してみようか、と言ってくれたので、即座にお願いすると、大きな病院を紹介してくれたそうです。
昨日、「検査結果出たよ~~!」と満面の笑みで、職場に報告に来ました。
結論は、脳も心臓も血管もどこも悪くない、ということでした。心因性による自律神経の不調で、血圧調節がうまくいっていないだけだろう、ということだったそうです。それでも血圧が高い状態が続けば、血管に負担がかかるし、今後の血管関係の病気のリスクも高まるから、もう少し気温が上がるまで薬で調節を続ける、ということになったそうです。
いつも思うんですが、「検査の必要はない」と押してくるお医者さんって、結構いませんか?きっと不要なんだろうと思いますよ。でもね、これまで感じたことのない不調があると、すごく不安ですよね? テレビでもネットでも、健康や病気に関する情報が増えているので、みんな、怖い病気をいくつも知っていて、ついつい、自分の症状を当てはめたりしませんか?
お医者さんに検査の必要はない、と言われたとき、皆さんは「でも心配なんで、やってください」と言えますか? 素人のくせにプロにたてつくようで、気が引けたりしません?
お医者さんとしては、高額な検査費を出させるのも気の毒と思って、不要と判断したときはそう言ってくれるんだろうけど、不安が病状を悪化させることってよくありますよね。不要、と言われても不安が解消しないまま病院を後にすれば、治るものも治らないと思うんですよ。
検査が薬になるってこともあると思うんだよね。昨日のパートさんの元気な様子を見て、つくづく思いました。最初の内科で検査に回してもらえたら、1週間復帰が早まったのに。
病気を見つけ、直してくれるお医者さんは偉大です。でも、できれば、「不安」という最大の病魔を退治するための、言葉と対応があると、なおありがたいんだけどな。
もちろん、お医者さんの診断に納得できれば何の問題ないんですけどね。
今回は検査してほしい時にしてくれないパターンのことを中心に書きましたけど、反対に、すぐに検査するお医者さんだっていると思うんですよ。「え、必要ないよ、薬だけちょうだい」「え、検査するほど悪い病気なの?」なんて、びっくりすることもあるかもしれません。
お医者さんは病気のプロだけど、私のプロは、私自身なのだから、自分の不安に耳を傾け、「不安ちゃん」が望む行動をする方が、結果として、病気の軽快を早めるんだろうな、と思いました。
不安が残ったまま病院を後にすることがないよう、こちらから検査などを要求する「押しの強さ」を持つことも大事かもしれませんね。
何より、本音を言いやすい、自分と相性のいいお医者さんをかかりつけ医に選ぶことが、一番いいのかもしれません。そのためには、一人で悩んだりしないで、今回のパートさんみたいに人が集まるところでオープンにする、というのは賢い選択なんだな、ってつくづく感じ入りました。
若い人たちのように、ネット検索で上手に情報収集ができない私たちの世代は、リアルのネットワーク(=人間関係)を構築して、フルに活用しなくちゃね~。